ここは誌上レッスンのページです。実際にテニスをする上でヒントになるような技術・戦術のアドバイスを盛り込んでありますので、壁にブチ当たっている人には参考になるかも。。。

誌上レッスン


 ここでは、主にゲームの出来る初〜中級者以上を対象としたダブルスのレッスンを展開しています。コラム欄同様不定期更新ですが、下手に『週1更新』とか書いても絶対守れないので…。けど、何とか頑張って更新回数を上げていきますので、時々のぞいて見て下さいね。(取り上げて欲しいネタのリクエスト募集中♪)

 得手を伸ばすか、不得手を補うか?

第36回『ダブルスでどちらのサイドを守るのか?』
 レッスン終了後のミーティングなど、レッスン中以外の時間に良く聞かれる質問の一つに
『今度○○さんと組むんですけど、どっちがフォアの方が良いですか?』
というものがあります。初めての相手とペアを組む時、誰がどちらを守るかは気になるところ。しかし、実は正解のないこの問題、塾長としても回答に窮することが多いのです。

 例えば、右利きと左利きの方がペアを組んだ場合を考えてみましょう。一般的には利き手のストロークが順クロスになる側、つまり右利きの方がデュースサイド(=右利き基準で言う『フォア側』・最初にサーブレシーブを行う側)、左利きの方がアドバンテージサイド(=同『バック側』・アドコート・デュースサイドの逆側)に入る、というスタイル。双方共にフォアハンドストロークが打ちやすくなるので、初心者の場合は迷わずにこの配置を選ぶでしょう。
 しかし、対戦相手から見るとどうでしょう? 攻撃パターン組み立ての起点となるセンターがどちらもバックになるので、案外攻めやすく感じます。また、『二人ともバックが苦手そうだなぁ〜』と言う印象を強く受けるので、ストローク戦で心理的に優位に立てます。
 得手不得手を言ってサイドを決めてしまうと、このように相手に付け入る隙を与えてしまうことも多いものです。また、折角得意なサイドに入れても、自分達がサーブする時には1ポイント毎に左右を入れ替えなくてはならないので、サーバーの時には2分の1の確率で苦手なサイドでプレーすることになります。当然相手もそこを狙い、色々と仕掛けて来るでしょう。

 サーバーに回った時のことも考え、理想を言うと誰でも両方とも苦手でない方が良いでしょうね。ただ、実際には得手不得手は厳然として存在し、それを考慮してサイドを決めることになるでしょう。但し、上に挙げた例のように『不得手を補う』ことを目的にサイドを決めると、相手にそこを突かれやすくなります。ここはマイナスではなくプラス思考で、『得手を活かす』視点でサイドを決めてみては如何でしょうか?

 塾長が過去に実際にアドバイスした例ですが、レッスンメンバーのN川さんにこの質問を受けた時、彼女が左利きながらデュースサイドからのストレートパスおよびストレートロブが上手なことを思い出し、N川さんにデュースサイドに入るようアドバイスしました。実際この作戦はうまく行ったようで、その後の戦績はなかなか良いようです。
 また、デュースサイドからの両手打ちバックハンドのストレート狙いが強烈なT村さんにも、同様にデュースサイドに入るように勧めたところ、やはりその強打がうまく活かせるようになったようです。

 要するに、
『自分達の得意なショット・パターンを活かす為にはどちらのサイドに入るのが良いか?』
という視点でサイドを決めてみよう、という提案です。
 デュースサイドからのストレートショットがうまい方ならデュースサイドに、アドバンテージサイドからのストレートやドロップショットが上手な方はアドバンテージサイドに。右利き+左利きのペアでフォアハンドのポーチが共にうまいのであればセンターが共にフォアになるように。その他、自分が得意なショットを活かす為にはどちらのサイドが良いかを考えて、サイドを決めると良いでしょう。

 但し、対戦系スポーツであるテニスには当然ながら対戦相手がいます。対戦相手の情報をある程度得ているのなら、当然ながらそのこともサイドを決める大きな要因になります。
 例えば相手のうち一人が左利きである場合(まれに両方とも左利きであった場合)など、攻め方・守り方のパターンが左右逆になり、普段と違うサイドを守った方がうまく行くことも往々にしてあります。また、その時の風向きと太陽の位置によっては、サーブする順番だけでなく守るサイドを変えた方がうまく行くこともあります。
 一方、得手も不得手も関係なく、とにかく同じペアと長く組んでお互いの動きに習熟することで、誰と当たっても対応出来るぐらいに仕上げてしまいサイドを固定化するという考え方もあります。

 このように、実戦では様々な要素によって色々なことを考えねばならず、『誰と組んだからどっちのサイド』ということが簡単に決められる訳ではありません。お互いの長所を活かそうと思って組み合わせたのに、いざ実戦となるとどちらもうまく機能しないといったこともままあります。新しいペアと組む際には、お互いの動きのパターンや守備範囲を確かめる意味で、本番前に何度か練習試合をしておくと良いでしょう。その際、同じ対戦相手に対してサイドを変えて(左右を入れ替えて)続けて対戦すると、どちらの方が動きやすいかよりわかりやすくなります。どちらがどちらのサイドを守るかについては、それらの練習を経て総合的に判断すると良いでしょう。

2012.07.26 Copyright(C)しんのすけ

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23 サーブのコースを打ち分けよう(2) 『サーブシリーズ』2回目は、自分に合ったスウィングの軌道を見つけて、それを安定させる手段を解説しています。
24 サーブのコースを打ち分けよう(3) 『サーブシリーズ』の最終章。1回目と2回目の練習成果を融合させ、更に実践的なアドバイスを加えています。このシリーズは1〜3通しでご覧下さい。
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