さあ、皆さんお待ちかね(誰も待ってない?)、久々の誌上レッスン更新です。ええもうホントに久々(笑)。
今回はちょっと実践的な『深いボールへの対処法』を解説してみましょう。
テニスでは、ストロークの球は深い(ベースラインに近い)方が有利とされています。実際、かつてテニス界に長く女王として君臨したドイツ人のトッププロ選手、シュテフィ・グラフ氏(
※参考:
Wikipediaリンク)のストロークは(弱くつなぐ打球であっても)常に深く深くコントロールされており、塾長はそれこそが彼女の成功の秘密だったと思っています。
※余談ですが、彼女がストロークの深さを保てなくなってきたことに塾長が気付いて間もなく、ついに彼女は引退しました。『女王』の称号に相応しい落ち着きのあるプレースタイルが好きだったんだけどなぁ〜(泣)。
そんな厄介な深い球の対処法ですが、多くの方がベースラインより下がって打つか、或いは攻撃的な方であってもライジングで打ち返すという判断をされているようです。確かにそれが『正統派』の対処方法ではあるのですが、ヘソ曲がりの塾長はそれでは満足しません。何よりもまず、相手が深い球を打ってくることの目的を考えると、それでは『負け』だと思うからです。
打つ側の立場で考えると、深い球には
- 相手を下がらせて攻撃力(=返球の威力・速度)を低下させる
- 相手を下がらせることで返球の角度を小さく抑える(アングルショットを狙いにくくさせる)
- 深い位置から打たせることで返球までの時間を稼ぐ
といった効果があります。下がって返球するということは、この全てを満たす=相手に有利に働かせることになってしまいます。これでは、試合の時に損ばかりしてしまいますね。ライジングで返球した場合でも、(1)と(3)の効果はかなり打ち消せるものの、(2)についてはライジングでのアングルショットは上級者でもかなり難しいため、まだ若干相手に有利に働くでしょう。
そこで塾長が提言するのは、この深いショットを『
ボレーでカットして返球する』というもの。
初心者〜中級者の場合の返球(ゆるい球)やあまり高くないロブにはこの作戦がかなり使えるはずです。上級者でもつなぎのショットの場合に使ってみると案外効果があったりします。相手としては
『これだけ深い球を打ったんだからこれぐらいの時間は稼げるだろう』
と思っているところに、それよりもかなり早いタイミングで返球が帰って来るため、慌ててしまうという効果も見逃せません(先の深い球の効果で言うと(3)番)。また、ライジングと違って高い位置で球を捉えられる為に(2)の角度をつけることも比較的しやすくなり、特にドライブボレーを使えるようであればその効果は更に増します。当然ながら(1)の攻撃力も上昇し、相手の目論見は全て失敗してしまうことになります。おまけに前に詰めながらのショットになるためそのままネットまで詰めることも容易になり、攻撃力は更に増します。
こんなに良いことずくめのボレーカットですが、プロの世界ではあまり見かけません。一体どうしてでしょう?
実は、プロ選手のストロークは球威・回転共にアマチュアとは桁違いに強いのです。打つコースも読みにくく、前へ出てボレーカットすることはかなり難しくなります。おまけに不用意に前に出たらこれまた強烈な『パッシングショット(相手が前へ出て来た時に逆襲して横を抜くショット)』の餌食になってしまいます。このためプロの試合では滅多に見ませんが、それでも、相手を十分に追い込んだ後でボレーカットを使うシーンなら(注意して見ていれば)何度かあるはずです。
ともあれ、アマチュアレベルであればそんなに凄いストローカーにはあまり当たりませんし、パッシングショットもそうそう喰らうものではありません。試してみる価値は十分にあると言えるでしょう。何より、『プロにしか出来ない』ことは多くても、『プロには(滅多に)出来ない』というようなことは珍しいので、優越感(?)を感じる為にも、一度トライしてみませんか?(笑)