皆さん永らくのご無沙汰でした。なぜご無沙汰だったのか? その詳細はコラム欄のバックナンバーに譲るとして(第8回にPCが壊れた話が書いてあります…涙)、今回は皆さん悩んでおられるであろう『ポーチに出るタイミング』について、少々解説してみましょう。
『ポーチボレー』はダブルスにおける最大の攻撃武器であり、これがうまく出来れば勝てる回数も増えるし、また決めた瞬間の爽快感も何とも言えないものです。しかし同時に、初心者から中級者・上級者に向かうにつれてぶつかってしまう事の多い『壁』であったりもする訳ですなあ〜。
多いのは初級から中級になるあたりで『どんなタイミングでどう出ていいのかわからない…』とい悩み。そう。そうなんです。その事で悩んでいるのはあなただけぢゃあないんです!
『やったあ〜、私だけじゃないんだ! あ〜これで安心して眠れるわ♪』
そうそう、ゆっくりお休み…っておいおい!寝るなあ〜!これからが大事なんだからっ!
初心者のうちは何もわからず、ただガムシャラにポーチに出たりしても案外これがうまくいってたりするのですが、中級レベルに達する辺りで色々とわかってくると、今度はわかった事が逆に障害になって出るタイミングを見失ってしまったりするものです。
『あ〜、そろそろ出なきゃいけないな…。でも、相手だってそう思ってるだろうし、下手に動くと逆にストレート抜かれちゃうかも…。』
そんな考えが手かせ足かせになって、あなたを『忍法金縛りの術』にハメてしまいます。こうなるともう『前衛』ぢゃなくてただ『前に立ってるヒト』と化してしまい、まったく戦力になりません。その事が後でまた気になって、ますます動けなくなってしまう。これを専門用語で『悪循環』と言います(どこが専門用語や!?)。
しかし、考えてみて下さい。あなたが何故前に立っているのか。相手の顔が見やすいから?エンドを変わる(コート交代)の時に早く移動出来るから? …違いますね。あなたは、相手後衛の球をポーチ=横取りする為に前に立っているはずです。だから、まず『ポーチに出なくちゃいけないヒト』だという前提を確認して下さい。ストロークが続いているどこかで、あなたは動かなくてはならないのです。
こうなってくると、あとは『いつ動くか?』という事だけです。細かなシチュエーション毎に差異があるので全てを一概には言えませんが、簡単なのは自分なりのわかりやすい『基準』を作ってみる事です。
例えば塾長がレッスンでよく言っていたのは
『自分のパートナーの球が相手後衛を苦しめた(と思った)ら動け!』
というもの。パートナーのストロークがすばらしく深くていいコースに決まったような場合、
『わあ〜、すっごお〜い!○○さんお上手〜♪』
と手をたたく…のは観客の仕事。あなたに課せられた使命はパートナーの球を生かす事、すなわち『ポーチに出る』事です。そう考えて、ポーチに出てみましょう。
『でも、そんな事をしてストレートを抜かれないかしら?』
ごもっともな疑念ですが、それを言っていたら、じゃあいつになったら出て良いの?という事になります。その場面で動いてストレートを抜かれたら、それは相手が思ったより上手だったというだけの事。むしろ、パートナーの球が良かったならそれだけストレートに打たれる(=急遽コースを変えられる)可能性は低い、と思いませんか?
また、ストレートに打たれるかどうかの判断も、基準を作っておくと読みやすくなります。例えば、相手後衛がシングルスのサイドラインを踏み超えて打つようであれば、ストレートに来る確率は高いはずです。ダブルスサイドラインを踏み越えて打つようなら、更にストレートの可能性が高まります。理由は、自分で実際にコートに立って見るとよくわかるのですが、後衛がコートの外に出るといつもの打球コースに相手前衛の立つ位置が重なり、前衛を避ける為にはショートクロスかストレートにしか打てなくなるからなのです。
まあ、プロになるとどんなに追い詰められても自在にコースを打ち分けられるので、TVでプロの試合を見ている限りはそうは思わないかも知れません。しかし、アマチュアレベルではこういった判断基準を作ってでも『まずとにかく動く!』事が大切になって来ます。難しい事はさておき、
@.自分のパートナーの球が相手後衛を苦しめた(と思った)ら動く
A.相手後衛がサイドラインより外に出たらストレートを警戒
まずはこの2つの事に注意していれば、ストレートに打たれる危険性を回避しつつポーチに出られるようになると思います。
勿論、更にレベルが上がると相手もそれを読んで裏をかき、さらにこっちもその裏を読み・・・と段々難しくなって来るのですが、この2点に十分に注意を払えるようになれば次第にコートの中での立ち位置や動くタイミングが読めるようになって来ます(来るはずです)。そうやって動くうちに自分でまた別な判断基準を見つけられるでしょうし、幾つかの判断パターンを持っていれば、そのうち相手のタイプに合わせて使い分けることも出来るようになるでしょう。
という訳で、まずは、この2つ。2つのルールを守って、思い切って飛び出してみましょう。始めなければ、始まらない。至極当然の事ですが、その壁を自分の足で乗り越えようとした瞬間、あなたはコートの上でエースショットの余韻に浸りながらガッツポーズを決めている事でしょう。