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第9回:ムーンボール

 今回も引き続き『杉山愛選手全仏優勝記念セール』です。って何も売りませんけど(笑)。
 前回は『オーストラリアン・フォーメーション』についてお話ししましたが、今回は前回同様、全仏の試合中に使われていた一般には見なれない物シリーズで『ムーンボール』を取り上げてみます。
 10年以上も前からシングルスで良く見るようになったこのショットは、強い順回転(トップスピン)をかけたストロークとロブの中間のようなショットです。通常のストロークよりも弾道が高い為に前衛には取れず、後衛もバウンド後の弾道が弾み上がるので打ちづらいという特徴があります。
 しかし、問題があります。このショットを打つには相当の腕力(特に丈夫な手首)が必要で、大方の女性はおろか男性でもこれを打ちこなすのは難しいのです。少なくとも、私の生徒さん方の中にはそんなタクマシイ女性はいないなあ〜(ヨイショッ!)
 トップスピンをある程度極めてしまえば手首や肘を痛める事もまずないのですが、アマチュアレベルではなかなかそこまでの方はおられません。手首を能動的に使い過ぎて腱鞘炎になるのが関の山でしょうね。(この点は次回『トップスピン回転のかけ方』で取り上げてみましょう。)
 しかし、弱い回転でも構いません。トップスピン『気味』のショットが打てるようになったらこの『ムーンボール』にも是非挑戦してみて下さい。特にアマチュアのダブルスでは前衛の決定力がモノを言いますので、その前衛の攻撃力を完全に封じ、更に後衛を苦しめられるこのショットはかなり有効な武器になるはずです。

 ではその打ち方ですが、コツを一言で言えば、『バレーボールのつもりで打て!』でしょうか。この球はネットの上を越える段階で弾道が低すぎると相手前衛に簡単に決められてしまいますので、『高さ』が最も重要なポイントになります。練習では、可能であればバレーコートのネットを借りてその上を越えて行く球筋を打つなどして、まず高い弾道に慣れましょう。試合では、相手前衛の手の届く限界の高さにネットがあるつもりで、それを越える球筋をイメージしながら打つと良いでしょう。弱くてもトップスピン回転がかかっていれば、ネットを越えれば急速に落下しますので、心配するほどアウトする事もありません。もしもコントロールが可能なら、相手後衛がバックで返球しなくてはならない位置に打ってみましょう。更に強力な武器になるはずです。
 なお、強いトップスピンは低めの球ほど回転をかけづらいものです。また、持ち上げる動作が大きくなってオーバーしやすくなりますので、慣れるまでは球を捉える位置を高目(胸ぐらいの高さ)にすると良いでしょう。

 実戦での注意点ですが、昔、ある小さな大会で、コート後方が狭い事を利用してロブだけで相手を追い込み続け、優勝してしまった女子ダブルスペアを見た事があります。多くの女性がスマッシュをうまく打てない為に起きた椿事ですが、確かに相手にこの球を打たれ続けると嫌なものです。勿論、対策としては『スマッシュ』が1番の作戦でしょう。前衛がやや後ろに立ちムーンボールの落下点に近づくと、それだけで打ちにくいものです。特に有利なカウント(40−15など)の時に多少無理をしてでもスマッシュを打っておき、相手に
 『あ、このペアはムーンボールをスマッシュで狙って来る!』
 と思わせられれば、以後の試合を有利に進められます。イヤラシイようですが、特にレベルが高くなってくると、長期的な戦略と言う観点からこんなテクニックも必要になってくるのです。フェイントなどと同じく『必要な騙しのテクニック』だと考えて下さい。…でもまあ、スマッシュが苦手なクセに無理矢理打って失敗しといて、
 『あっれえ〜? いつもやったら入るのになあ〜っ!』
 などと大声で叫んで相手にプレッシャーをかけるようになれば、本当にイヤラシイんですけどね。
 まあ、スマッシュが無理でも、せめてライジングで返球し、あまり後ろに下がらされないようには注意しておきましょう。

 さて次回は『トップスピン』です。『うまく回転がかけられない』『手首が痛くなる』『テニス肘だ』とお嘆きの皆様、次回に備えて5円玉1枚と、それをぶら下げる糸30cmを用意してお待ち下さい!

2003.6.19 Copyright(C)しんのすけ


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