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第8回:オーストラリアン・フォーメーション

 皆さん、2003年6月8日深夜に一部の放送局で放映された、全仏テニスの杉山愛選手の活躍、ご覧になりましたか? パートナー(クライシュテルス選手)の不調を補って余りある彼女の活躍に、翌朝早いのを承知で応援し、寝不足になった方が恐らく(勿論私を含めて)多数おられたのではないでしょうか?
 今回及び次回は、その彼女の活躍に対する賞賛の意を込めて、試合中に幾度か見られた『オーストラリアン・フォーメーション』についてお話ししましょう。(ちなみに次回は『ムーンボール』を予定しています。)

 そもそも『オーストラリアン・フォーメーション』とは…、と言ったところで詳しい由来まで知っている訳ではないので、歴史に関しては他で色々と調べてみて下さい。塾長が知っている範囲では、ヨーロッパに次いでテニスが盛んだと言われるオーストラリア《この辺は『エースを狙え!』の受け売りです(笑)》で研究・開発された、並行陣・雁行陣に次ぐ第3のダブルス用フォーメーションだという位です。また、良く似たフォーメーションに『i(アイ)フォーメーション』というのがありますが、その違いは…実は良くわかりません(爆)。塾長も色々と調べてみたのですが、どうもネット上でも混乱が起きているようで、結局確証がもてませんでした。今回取り上げたのも実はもしかするとどこかから
『それってオーストラリアン違うてアイフォーメーションやん!』
と突っ込まれそうで怖い…。まあ、今回は『良くわかんないけど取り敢えず解説』という事で(おいおい…)。
 では、その良く分からないフォーメーション(陣形)がどんなフォーメーションかと言うと、サーバー側の、サーブを打つ前に限定された陣形で、サーバーがコートの中央寄りに立ってサーブをし、パートナーの前衛はネット中央付近でサーブの邪魔にならないようしゃがみ込んでサーブを待ち、相手のリターンの瞬間に立ちあがってポーチするというものです。勿論これにはサーバーとパートナーの綿密な打ち合わせが必要で、サーブ後はあらかじめ決めておいた方向にタイミング良く移動するという統制の取れた動きが必要になります(図では打球後に同じ色の矢印の方向へ動く)。
 利点としては、リターンを高い確率でポーチ出来ること、特に全員右利きのフォアサイドではサーブをセンターに集めれば相手のバックハンドリターンを狙えるため、ある程度のレベルでは相当な武器になることです。サーバーに十分なコントロール力があれば、うまく使えばサービスブレークされる回数も減る事でしょう。
 他方、欠点としては相手のリターンがポーチを嫌ってロブ中心になってしまた場合、こちらに相当なスマッシュ力がないと意味がなくなってしまうこと、サーバーにコントロールがない初級者では打ち合わせと違う方にサーブが入って混乱したり、特にサイド寄りに入った場合などはストレートへのリターンがエースになる確率も上がってしまうことがあります。そして何より切実なのが、サーバーにもっとコントロール力がない場合には、サーブが前衛の後頭部などを直撃しやすいため、それが原因でパートナー同士の信頼が乱れてしまう事、でしょうか(笑)。
 笑い事ではありません。最近、某保険会社のCMで、後衛が前衛の背中にばかり球を当てるのでついには前衛が後ろを向いて構える、というのがありましたが、実際にそんな事にもなりかねません。また、腕前にもよりますが、サーバーにとってもある程度プレッシャーになる事も十分に考えられます。
 つまり、用法としては
@ サーバーにコントロール力がある。


A 前衛にポーチの決定力がある。


B 相手のリターンが良いのでサービスキープが難しい。


等の条件が整った場合に使うのが一般的でしょう。しかし、アマチュアレベルではやはり@に問題がある為か、なかなか実際に使っている場面を見かけません。それでも、条件が整っている場合や、或いはあまりにもブレークされる回数が多い場合には無理をしてでも、使ってみる価値のあるフォーメーションだと思います。
 なお、この場合、サーブ直後の前衛と後衛の動きには特殊なものがありますので、一般的な注意点としてまとめてみましょう。

 まず、フォアサイドの場合。相手レシーバーのバックハンドリターンが弱い場合にはサーブはセンターを狙い、サーバー・前衛ともに真ん中付近に陣取り、リターンの球筋を見てからまず前衛がポーチに動き、ポーチした瞬間にサーバーが空いた側(前衛の動きと反対側)に移動してカバーします。サーブがサイドに飛んだ場合は状況判断が大変難しいのですが、相手も恐らくセンター中心にカバーしているためフォアの球は遠くなる事を考えて、前衛はサイド(ストレートリターン)のケアに走り、サーバーはやや右前方に動いてショートアングルのリターンにも警戒します。

 バックサイドの場合は、センターが相手のフォアになるので強打で返球される事も多く慣れるまではあまりお奨めしませんが、サーバーがセンターに早いサーブを打てた場合はチャンスがあります。前衛はやや左寄り中心に(レシーバーが球に押されて返球を右に集めやすい為)ポーチを狙い、サーバーは前衛の動きを確認してから逆サイドのケアに走ります。サーブが相手のバックを突けた場合も振り遅れがストレートに抜けて来たり、逆に打ち損ねて弱くなった返球がショートアングルにポトリと落ちたりと判断が難しいのですが、逆転の発想でサーブをやや弱めに打ってクロスへのリターンを誘い、そこを狙うのも面白い手です。
 いずれの場合でも、いくら事前に打ち合せたからと言ってサーバーがあまり早くケアに走ると逆を突かれやすいので、一見遅れ気味に思えるぐらいしっかりと状況判断をしてから動くのがポイントです。
 逆に相手にこのフォーメーションをやられた場合には、最初は無理をせずロブで返すのが得策でしょう。しかし、相手がスマッシュに自信を持っており、サービスラインより後ろからでも打って来れるような場合には相手の思うツボにハマッってしまう事になります。その場合は出来るだけ前衛の立つ位置を外して(つまりストレートかショートアングル系の)返球するのがセオリーとされて来ましたが、昨今では『ムーンボール』を使うのが流行りのようです。ではその『ムーンボール』とは?
 …それは次回のお楽しみ♪ って、引っ張るなあ〜。最近のCM前の民放みたい。(笑)

2003.6.9 Copyright(C)しんのすけ


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