ここは誌上レッスンのバックナンバーです。過去の作品を各話・または同一テーマ毎にまとめてあります。

誌上レッスン・バックナンバー



第2回:並行陣の役割分担

 今回は、前回の『雁行陣』に続いて『並行陣』の役割分担について説明してみましょう。

 並行陣は前回の『雁行陣』と同じぐらい一般的に用いられる陣形で、二人のプレーヤーがネットに対してほぼ平行に並ぶ事から付けられたネーミングのようです。
 主にネットに近いポジションで使われ、雁行陣に比べて攻撃的とされる並行陣ですが、相手がスマッシュの体勢にある場合やビッグサーバーに対抗する為に二人ともベースラインに下がった形で『守備的並行陣』を取る事もあります。
 雁行陣の回でも触れたように、どんなフォーメーションを組んだとしても当然一回のラリーでボールに触れるのは一人だけ。一般的には相手が雁行陣の場合が多いので、その場合には相手の後衛と対角線上に立つプレーヤー(仮に『守備役』とします)が多く球を受け、もう一人のプレーヤー(同『攻撃役』とします)に直接球が飛んでくる回数はそれに比べて少なくなるでしょう。
 既に雁行陣の回で説明した通り、この場合でも守備役が相手後衛を動かして追い込み、攻撃役がポイントを決めるという役割分担がキッチリ出来ているペアほど強い、という事になります。
 例えば守備役が相手後衛のバック側に深くボレーをつなぎ、返球が甘くなったところを攻撃側がポーチボレー(守備役の取るべき球を前に出て横取りするような、飛び出してポイントを狙うボレー)に出るというのが基本的なパターンです。
 ここで『つなぐ』という部分に下線を引きましたが、これは、この球の打ち方とフォーメーションに密接な関係があるからです。
 時折見られるのは、守備役と攻撃役が全く平行に立ってしまい、双方が攻撃を仕掛けようとするパターンです。この場合どうしても二人のポジションは共にネットに近づき過ぎてしまい、後方への備えが甘くなるためロブで抜かれて自滅するパターンが増えてしまいます。かと言って二人とも下がったのでは攻撃力が低下しますので、守備役はネットに対する距離を攻撃役より1m前後多めに取り(=少し下がり)、頭の上(=ロブ)に対する警戒をしやすくした方がおおむね有利になります。
 この場合、守備役のネットまでの距離を考えるとあまり強い球は打てなくなります。そこで、球の速度を落とす代わりにコースコントロールを付けて狙い、相手後衛を揺さぶる事を考えるのがセオリーとなります。
 実戦ではロブの処理や相手後衛のストレート狙いに対応するなどもっと複雑な動きになるううえ、相手との距離も短い為より早く球が到達するので考える時間的余裕も少なくなりますが、この基本を守ってポジションや組み立てを考えていく事になります。
 中級以上のプレーヤーにとっては常識的な事ですが、同時に実戦で熱くなると真っ先に忘れてしまう事のようです。事実試合では守備役が自分で攻撃しようと焦って自滅したり、折角守備役がいい球を送って相手後衛を追い詰めているのに肝心の攻撃役が
『上手だな〜。いいパートナーに当たったわ♪』
とでも考えて喜んでるのか全く手出ししないでチャンスを見逃す、といったケースが多々見られます。
 雁行陣の回でも書きましたが、ダブルスの醍醐味の一つは『二人の連携がうまくいった時』の喜びにあります。コートの上で手を取り合って喜べるその日の為にも、果たすべき役割をキッチリと果たして、楽しいテニスを心がけましょう。

※『並行陣』は通常『平行陣』と書く事が多いようですが、『(数学的)平行』とは違い立ち位置が多少前後する事、二人がシンクロして動作をする(=並行動作をする)事を強調するため、敢えてここでは『並行陣』を採用しました。

2003.02.10 Copyright(C)しんのすけ


★迷惑メール対策としてメールアドレスに細工をしました。メールリンクタブ(上の『本サイトに関する…』の黄色い画像)をクリックするとメールソフトが立ち上がりますが、あて先(メールアドレス)の本来『@』マーク(小文字)となるべきところを『●』にしてあります。ご面倒ですが、『@(小文字)』に直してご使用下さい。
メールソフトがうまく立ち上がらないなどの場合は、ご面倒ですが次の文字列をコピーし、同様に『●』を『@(小文字)』に変えてご使用下さい。
edail●sutv.zaq.ne.jp



since 2002.12.31  Copyright(C)しんのすけ