ここは誌上レッスンのバックナンバーです。過去の作品を各話・または同一テーマ毎にまとめてあります。

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第7回:サーブ

 さて今回は、予定を変更して『サーブ』を取り上げます。というのも、先日初(!)のリクエストを戴いた、そのテーマが『サーブがうまく入らない』というものだったからなのです!(J.Mさんリクエストあんがとねッ♪)

 さて、サーブがなぜ入らないのかを考える前に、サーブに関する物理的な条件、特に『コートの寸法』に注目してみましょう。
 殆どの方が、実際にコートに立った印象やTV中継の画像(コート後方やや上から見下ろすアングル)の印象から
『テニスコートはあまり長くない長方形』
だと思っておられる事でしょう。しか〜し!実際は、テニス規則にあるようにダブルスコートで縦が約24m、横幅が11m(シングルス用は約8m)のかなり縦長の長方形です。私も実際に寸法通りの図面を書いてみたのですが、…いや、正直驚いちゃいましたね。横幅がこんなに細いとは思わなんだなあ〜。サービスボックス(ネット、シングルスのサイドライン、センターライン、サービスラインに囲まれた、サーブを入れるべき四角い場所)なんか、かなりの縦長に感じます。
 こうなると、サーブがどの方向に『入らない』のかをよく考えないといけませんねえ。今までのレッスンの実感からすると、どうも狭いはずの『サイド(左右)側』にアウトするよりも広いはずの『サービスライン(前後)側』にアウトするケースが多いように思います。その理由を色々考えてみると、サーブの障害になる『ネット』の存在が浮かび上がってきます。
 コート上に立ってネット越しに相手コートを見てみると、ベースラインに立つと相手コートは全部ネットに隠れて直視する事が出来ません。計算してみると、ベースライン中央に立った時、目の高さが最低でも183cm程ないとコートのどの部分も直視できません。目の高さでこれですから、身長にすると恐らく2m近くないと駄目という事ですね。同様に計算すると、ベースライン上に立ってサービスボックスの一部分でも直視する為には約286cm程ないと駄目だという事になります。レーザービームのような直線的なサーブが打てるとすると、サーブを入れるにはこの高さから打たないと入らない計算になりますが、実際にはボールは重力により落下するので、空気抵抗がないと考えた場合でも時速200kmのサーブで約223cm、時速120kmのサーブなら約140cm程度の高さがあれば入る事になります。これ以上の詳しい計算は難しいので省きますが、感覚的にも
 『ネットの上のある高さの幅を通るサーブは入るが、その幅を超えると入らない。その幅の高さは、サーブのスピードが遅くなるほど広くなる。』
 と言えばわかりやすいのではないでしょうか。サーブが速ければ速いほど狙うべきネット上のターゲット(の高さの幅)は狭くなり、逆に遅くしてやればこの幅は広がって入れやすくなるのです。
 そうです! サーブが入らない(ネットまたはオーバーミスが多い)のは、この幅の中をうまく通せていないからなのです。
 仮にこの高さの幅を野球に倣って『ストライクゾーン』と名付けてみましょう。例えば的を狙って打った時に高低誤差±10cmの範囲で当てられるとしましょう。この場合、ストライクゾーンの高さが20cmになる速度で、ゾーンの中央を狙えばサーブは入る計算になります。実際には、安全マージンを取って出来ればゾーンの高さが30cm以上になる速度を使うとよりコントローラブルになるでしょう。
 一方、この状態でゾーンの高さが20cm未満となるような早いサーブを打つことは、明らかに自分の能力を超えており、ファーストサーブの確率を大きく下げてしまうので実用的ではありません。逆に、ストライクゾーンを60cmも取ってしまうのは勿体無い話です。要は、その辺のバランスを取って、自分のサーブの速度を決めれば良いのです。
 では、ストライクゾーンがどれぐらいの球速でどれほどの高さになるのかを計算で求めてみましょう。…と思ったのですが、これを求めるには球の重さと大きさ・球固有の空気抵抗係数・球の回転・風向風速・球の振動など不確定要素が大きすぎて大変難しい、と言うか私には無理でしたので、具体的な計算はしていません。
 しかし、感覚的にならつかむ事は可能です。普段自分が打っているよりもかなり遅目のサーブをコントロールに注意しながら打ち、徐々に球速を上げていってどのくらいの速度ならどの程度の確率で入れられるのかを調べて行きます。大体練習で最低8割は入らないと、試合ではダブルフォールトが続発して使えないと考えた方が良いので、その時の速度を自分の能力に見合ったものと考えます。
 恐らく多くの人が、自分が思っていたよりかなり遅い速度でないとコントロールが効かない事でしょう。しかし、悲観する事はありません。多くの一般的なプレーヤーのレベルでは、10本に1本速いサーブを入れる事よりも、速度を落としても確実に相手のバック側にサーブを集める方がポイントを取りやすいものです。コントロール性さえ良ければ、遅いサーブしかなくても試合で勝ち続ける事は可能です。
 また、このコントロール能力を改善する練習も数多くあります。例えば 
@.壁打ち用の壁に『的』を置いてベースラインより内側に立ち、的の中央に当てる練習をする


A.サーブをネットの白い帯(コードカバー)に当てる練習をする


B.サービスボックスの隅に的を置いて狙う


などです。その際この3つの練習方法は@→A→Bの順番で行うとより効果的です。Bのようにいきなり遠い目標を狙う練習をしてしまうとなかなか感覚がつかめませんので、まず近い目標に当てる事でコントロールする感覚をつかみ、つかめたら徐々に遠くのターゲットを狙う方が運動の上達に関する理論(スポーツ理論)にも叶っているからです。
 え? 『具体的にはどんな動きをすれば良いのか』ですって?
 …う〜ん、それを文章で書くのはとても難しいので、いずれまた。何かうまい説明が思いついたらチャレンジします。それまでは、ご近所の方はレッスンでお教えしましょう。遠くの方は…ゴメンナサイ。テニス雑誌などで研究してみて下さい。

2003.4.17 Copyright(C)しんのすけ


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