ここはコラムのバックナンバーです。過去の作品を各話・または同一テーマ毎にまとめてあります。

コラム・バックナンバー



第16回『技術の融合』

 先日、御主人の転勤で東京に行っちゃった元生徒さん(Yさん)と、久し振りにテニスをする機会を持った。Yさんは娘さんが中学生の頃から親子共々レッスンした方で、その娘さんも今はもう大学生になっている。そのYさんがこちらへ遊びに来る機会があり、無理を言って(半ば強引に?)ラケット持参で来阪して貰ったのである。
 この時は同時に、Yさんの昔のテニス仲間数名にも集まって貰ったが、そのメンバーは塾長の元上司の下で今もテニスを習い続けている方々だった。
 Yさん自身も転勤後引き続きスクールに通い、また他のメンバーも私の元上司にミッチリしごかれているはずなので、最近サボリがちな塾長としては
『昔に比べて随分上達してるんだろなぁ〜』
と、期待しながらYさんとの待ち合わせ場所へと向かった。
 当日は予定していたコートが前夜の雨の水はけ不良のため使えなくなり、急遽別の場所に転戦するというハプニングはあったものの、天候にも恵まれ楽しくテニスが出来た。特に久し振りとなるYさんの技術の進歩は目覚ましく…と言いたいところだが、ここで少し気付いたことがあった。
 これこそが今回の主題でもあるのだが、確かにYさんも、他のメンバーも、昔見た時に比べて技術的には進歩していた。そう、確かに『個々の技術』は。
 『個々の』とわざわざ断わるのは、『個々でない』部分の技術にやや不満が残ったからだ。では具体的にどこがどう、と問われるとそれを表現するのは難しく、これはもうコーチとしての経験と勘に訴えかける種類のものであると言えよう。車の運転にたとえて言うなら
『走行技術・安全確認・車庫入れやクランクに至るまで上手なんだけど、乗ってると酔いそうになる』
とでも言おうか?
 全員にその辺りの問題を具体的に指摘し、レッスンして差し上げたかったのだが、場所と時間の制約がありそれは叶わなかった。代わりにちょっとしたデモンストレーションを行い、ヒントを提示して来たのだが、果てさてその肝要まで通じたかどうか…。

 実は、この先の話は営業上とても重要で、私は『この先の話をキチンと教えられる』というのをセールスポイントにしているため、あまり具体的なことを言うのは料理店がレシピを全公開するようではばかられる。但し、皆さんの経験・実感として
『スクールでちゃんと習っているのになかなか試合で勝てない』
『個々の技術は上なのに技術的に劣る人に負けてしまう』
といったことが往々にしてあるのではないかと思う。ちょっとだけネタばらしをしておくと、それは
『個々の技術の上達と、その技術を使いこなす為の技術の融合が図れていない』
のだと言えよう。
 私がこれまで見てきた限り、殆どのスクールではこの前半の部分、即ち『個々の技術』に関しては教える技術に概ね問題はない(一部に問題のあるスクールも存在するが)。しかし、後半の『もう1段上の技術』をキチンと教えられているスクールにはいまだお目にかかったことがない。これは即ち、
『幼い頃から英才教育的に技術を叩き込まれ、自分で意識することなくこの技術を習得してきた』
職業的プロコーチの陥りやすい欠点であろうと、塾長は推察している。何せ彼らは、『全日本選手権優勝』等といった肩書きがあれば教える技術の可否を問われることもないまま『A級プロコーチ』として認定されるという、よくわからない認定制度の末に生まれた『プロ』なのだから。

 これ以上ネタばらしを続けると営業政策上問題があるのでここまでに留めるが、つまり今回は
『テ楽小屋に来ればその技術を学べますよ〜』
という営業宣伝を兼ね(笑)、職業的プロコーチ各位の質の低下が、JPTA(日本プロテニス協会)の認定制度のおかしな仕組みに端を発する問題であり、世のテニス好きな皆様にはその肩書きに騙される事なく良いコーチを見つけて欲しいという願いを込めたお話である。

2007.04.13  Copyright(C)しんのすけ


★迷惑メール対策としてメールアドレスに細工をしました。メールリンクタブ(上の『本サイトに関する…』の黄色い画像)をクリックするとメールソフトが立ち上がりますが、あて先(メールアドレス)の本来『@』マーク(小文字)となるべきところを『●』にしてあります。ご面倒ですが、『@(小文字)』に直してご使用下さい。
メールソフトがうまく立ち上がらないなどの場合は、ご面倒ですが次の文字列をコピーし、同様に『●』を『@(小文字)』に変えてご使用下さい。
edail●sutv.zaq.ne.jp



since 2002.12.31  Copyright(C)しんのすけ