ここでは、コート上で必要なマナーの基本例を解説しています。お互いに気持ちよくプレーする為に、一通り目を通してみて下さい。

マナー講座

 ここでは、テニスを始めて間もない方に向けて、『一般的』なマナーを解説しています。初心者にもわかりやすいように普通のマナー講座と違って『何故そうするのか?』という理由にまで踏み込んで書いていますが、あくまでこれは、マナーに関する『一例』です。地方によっては当然の如く『ローカルルール』というものが存在し、場合によっては(ここで解説する理由に反していても)そちらに従う方がより重要だったりしますので、一緒に始める仲間やクラブ・チームの先輩にも聞くなどして、日々楽しくプレー出来るように心掛けて下さい。
 いずれの場合も、形式では重要ではありません。何よりもまず
お互いに尊重し 譲り合う
という姿勢が大切なのです。お互いに相手を気遣い合うという根本さえ抑えておけば、形はどんなものでも構いません。ここに提示したのはその『気持ちの表し方』のサンプルに過ぎませんので、仲間同士で、地域で、色々な場所で話し合って、気持ちよく楽しめる為にもっと良いマナーを作り上げてみて下さい。




 挨拶は日常生活でも必要な事ですので、今更取り上げる必要もない、…ように思っていたのですが、どうも最近はそんな基礎的な事から始めないといけないようです。特にジュニアでは挨拶も何もなしにいきなりサーブを打つ子供が多く、マナーもへったくれもありません。困った事です。
 基本的には、対戦相手が決まった時点でコートサイドでお互いに挨拶を交わし、それからコートに入り、サーブを打つ前に『これから試合を始めますよ』という意味で軽く会釈をする、或いはボールを差し上げる(サーブの構えをしてから、トスする手に持ったボールを相手に見えるように高く差し上げて合図する)といった何らかの合図をするというのがパターンです。
 但し、コートサイドでの挨拶は省略される場合も多く、その場合はコート内に入ってから全員で聞こえるように『お願いしま〜す』などと挨拶をして、1本目のサーブを打つ前にボールを差し上げて相手の準備を促す、というパターンも良く見られます。(球を差し上げる行為はサーバーが変わるたびに1本目だけ行い、2本目以降はあまりやらないようです。)
 理由としては、まず『袖振合うも他生の縁』。何の因果か対戦する事になった相手に対して、これからの試合時間を正々堂々、でも楽しくやりましょうね、といった意味合いを込めての事です。こういう基本的な事をおろそかにするプレーヤーは、知らない間に他者から
『あいつは卑怯なプレーをしそうだ』
 といった評価を受ける事にもなりかねません。挨拶には、お互いを気分良くすると同時に、自分自身の評価を高めるという効用もあるのです(日常の挨拶も全く同じです)。きちんとしておくように心掛けましょう。
 それから、ボールを差し上げる動作には、相手に準備を促すという意味が含まれています。テニスには『ノットレディー(Not ready)』という面白いルールがあります。相撲の『待った』に近いもので、相手のプレーに間に合うように努力したのだが間に合わなかった、といった場合に『ノットレディー』と審判に訴えると、『やり直し』が認められる(場合がある)のです。身近に『騎士道』というものがあったヨーロッパならではの
『準備の出来ていない相手に打ったサーブは騎士道精神にもとる』
といったところでしょうか? ですので、試合開始直後や中断からの再開後、コートチェンジ(正式には『エンド交代』と言います)後などの節目では、最初のサーブを打つ前に相手に見えるようにサーブの準備をして、球を見せて
『ほら、今から打つよ。準備はいいかい?』
と尋ねる意味でボールを差し上げる動作を挟むと良いでしょう。勿論、自分が受ける側に回った時は、例えばラケットを軽く持ち上げるなどして
『お気遣いありがとう。準備は出来てるよ。』
という返礼の合図を送るのもまた、儀礼として必要な事です。
 けっこう面倒くさいし、時間も食うので、先に言った通り試合開始直後などのみ行い、それ以降は合図ナシでサーブをしても構いません。但し、応用として、ファーストサーブの球がとんでもない所に飛んでしまい、相手がそれを取りにどこかに走って行ってくれた場合などに相手が戻って準備できた事の確認を兼ねて
『ありがとね。ほな再開しまっせ。』
という意味で合図を送る、などという使い方も出来ますので、その辺は臨機応変に、しかしくどくならない程度にやってみて下さい。
 ところで、塾長が実際に見た事のあるローカルルールで、セカンドサーブも含めて毎回サーブ前に挨拶する、というのがありました。恐らくその中の誰かがどこかで『サーブ開始前に挨拶する』という部分だけ聞いて来て、その後何となく毎回やるのが主流になってしまったのでしょう。『えらい面倒な事しとるな〜』と思ったのですが、そこではその儀式を外す事が『マナー』に反しているとされていたようなので、その場所でプレーする限り、その儀式をしない方が『慮外者』という扱いを受けてしまうのでしょう。これがローカルルールの恐ろしさ。アナタの地域がどうなのかも、先輩に聞くなどして確かめておく必要がありそうです。


『ボールの渡し方なんかに決まりがあるの?』
と驚かれる方も多いと思いますが、些細な事ながらよくトラブルになっているのを見かけるので、敢えて取り上げてみました。
 一つのポイントが終わる度に続いて次のサーバーがサーブをしますが、その前にフォルトした球やエース(相手がラケットに触れる事も出来なかったショット)になってどこかへ飛んで行ってしまった球を拾って、それをサーバーに渡さなくてはなりません。この場合、別に誰からどう渡しても良いのですが、2人から同時に球を投げられて困惑しているプレーヤーをよく見かけます。仲良しなら笑って済ませられますが、ハワイ旅行を賭けての真剣勝負をしている最中なら、そんな事でもムッとしてしまい、平常心を失う事もあるでしょう。負けた相手にそれを理由にされるのも嫌なものです。
 全国的に決まったルールはないようですが、例えばこんなルールはどうでしょうか?
『一番遠い人から、ワンバウンドになるように優しく投げる(又はラケットで打つ)。』
 『一番遠い人から渡す』理由はこうです。
 試合になると、サーバーとパートナーはよく会話を交わし、次のポイントの攻め方の作戦を打ち合わせたりします。多くの場合、サーバーがサーブを始める直前に行っているようです(あまり早く決め過ぎると迷ったりするのでしょう)。そこで、サーバーのパートナーがボールを持っていた場合、打ち合わせを兼ねてこれを最後に渡す事にします。そうなると、サーバーに一番近い人が最後に渡す事になるので、先に渡す人はそれより遠い人、という事になりますね。2球ともレシーバーの方にある場合も、コレに倣って遠い方から渡すのを基本にすれば、どんな場合でも迷わずに済みそうです。遠い位置の人が先に渡す事にしておけば、遠くまで転がってしまったボールを拾いに行った人も戻る途中で返球し、近い人が2球目を渡している間に戻って来れる事にもなり、時間短縮にも役立つはずです。勿論、どちらが遠いか迷うような場合や、拾いに行った場所がかなり遠くて時間がかかりそうな場合などは、断わって近い人から返球しておく方が理にかなっています。その辺は、状況を見て判断してみて下さい。
 『ワンバウンドになるように渡す』理由は、渡す側のコントロールと受ける側の能力の問題です。初心者であれば、ラケットで打って遠い相手にコントロール良くボールを渡すのは、それだけで難しい事です。ましてノーバウンドで直接届くようにするにはかなり強打しなくてはならず、危険球にもなりかねません。受ける側も、野球と違ってラケットは球を『受ける』のには適していませんので、例え渡す側のコントロールが良くても、直接来た球を手で受けようとすれば突き指の危険もあります。それが元で試合を棄権されたら夢見も悪いでしょう? 当然、その行為に悪意があったとみなされれば、主催者側の判断で失格になる可能性も有り得ます。失格にまでならなくても、双方のコントロール/キャッチ能力に問題があって、投げては取り損なって、を繰り返しているようでは、時間も浪費してしまいます。
 勿論、ワンバウンドが難しいなら、2バウンド、3バウンドでも構いません。コントロールの悪いワンバウンドよりは、確実な3バウンドの方が余程親切です。要は、受け手が受けやすいようにコントロール出来る範囲の球を渡す、という事です。ラケットでコントロール出来るなら勿論打って渡しても構いませんし、自信がなければ手で投げるのもOKです。
 最後に、近い距離の相手に手で球を渡す場合の『渡し方』ですが、これはウィンブルドン等のやり方を参考にしてみてはどうでしょう?
 ボールパースン(ネットにかかった球などを拾い集める係の少年少女)が『私はボールを持っていますよ!』とわかるようにボールを持った手を高く差し上げ、相手に知らせている姿を見た事があるでしょうか? 受け手側がこれに応える(『お願いします』と声を出す、手やラケットを軽く上げて合図する etc.)と、そのまま手を振り下ろしざまに軽く投げて、ワンバウンドで相手に届くように軽く投げる、というものです。相手との距離が近い場合(間にネットを挟まないケースなどで)は、なんかスマートっぽいし、それっぽくて良いと思うのですが…。
 どの場合でも、必ずウィンブルドンのボールパーソンのように
渡す側が合図し、貰う側の了解を得る
事に注意すれば、一度に2球飛んで来る事が避けられるのは言うまでもありません。これは基本中の基本です。相手の了解なしに球を渡そうとするのは無粋な行為であり、結局、取り損なって拾いに行く時間が余分にかかる、無駄な行為でもあると思うのですが、如何でしょう。
 なお、コートチェンジの時にネットの辺りですれ違いざまに渡す場合は、これに限りません。すれ違う人にわざわざ投げて渡すのも変ですもんね。全国的にどうなのかまでは知りませんが、どうも貰う側がラケットを水平にして差し出し、渡す側がその上にそっとボールを置く、というのが一般的なようです。旧知の知り合いや恋人同士なら、お互いに手と手をギュッと握り合って渡す(笑)のも良いですが、一応は敵同士。相手の身体に触れずに渡す事が出来れば、よりスマートですね。


 ファーストサーブの球がネットにかかったりフォルトした場合に、その球をどうするか、という問題です。他所から入ってきた球の処理は『マナーその4』で説明します。
 ファーストがフォルト又はネットした場合、実際のプレーはセカンドサーブのボール(2球目)で続行されますので、1球目は邪魔になります。よく、セカンドサーブが入ったのを確認してから1球目をネットに向けて投げる人(ネットにかけておいて後で拾いやすくする為?)を見かけますが、あれは実は、あまり知られていないのですがルール上『やってはいけない事』で、少々厳しいようですが『妨害行為』等とみなされて失点してしまいます。ルール上、自分の持ち物がネットに触れたり、プレー中の球以外の球をコート内に投入して相手の気をそらしたりする事は禁じられているからです(テニス規則20〜21)。転がったまま放置しておいたボールを誤って蹴り飛ばし、それがネットに触れた場合も同様です。
 そこで、コート内に転がった球は速やかに拾い上げ、ポケットの中やボールキャッチャー(スコート姿の女性が腰回りに付けている球を保持する道具)に取り付けておくのがマナーであり、無駄な失点を避ける(=自分を守る)事にもつながります。
 自分を守る、という事では、捻挫などの怪我を防ぐ意味でも重要です。私も昔、目上のコーチに
『コート内にあるボールは放置せず、すぐに片付けるように!』
と厳しくしつけられました。お陰で、今でもコート内のボールには敏感です。…もっとも、そのコーチは自分のレッスンの時にはボールの片づけをサボっており、ついには生徒さんにアキレス腱断裂の重傷を負わせてしまいましたが…(苦笑)。
 ともかく、危険防止と無駄なポイントを失わない為に、ボールはすぐに片付けましょう。コート外の無関係な場所に止まっている球まで拾いに行く事はありませんが、少しでも支障になる可能性があれば、迷わずに拾う事です。自分がサーバーの時には、ファーストサーブが失敗したらボールの行方を確認し、場合によっては誰かに拾ってもらうように指示してからセカンドを打つ、ぐらいの余裕と慎重さを持って行動して下さい。誰かが拾いに動いているのに気付かずセカンドを打つようでは、周囲が見えていない証拠です。そんな事では試合でも良い結果を残せませんよ!


 引き続いて、コートの中のボールの扱いです。
 その3で説明した通り、コートの中にあるボールは危険ですので、すぐに取りに行かないといけません。但し、それはあくまで自分達のコートの上での話。それが周囲の別のコートにまで及んだ場合はちょっと話が違ってきます。
 自分のコートでプレー中、他所からボールが飛び込んで来た場合には、それが審判によって『明確にプレーを妨げた』と認められた場合には『レット』とコールされ、そのポイントはやり直しになります。しかし、
『二人とも前に詰めていて、打ったボレーがアウトした。悔しいなあと思いながら振り返ったら後ろの方にボールが転がっていたので、これ幸いとレットを主張した。』
というような場合には当然認められません。
 尤も、大きな大会とかでもない限りアマチュアの試合には審判がいない事が殆どである現状において、セルフジャッジでこれを『邪魔か?邪魔でないか?』と判断するのは微妙な問題です。あまり邪魔でもない球の為に下手に声をかけプレーを中断させると、思わぬところで(特に調子良く攻めていた側から『流れを邪魔された』等と)恨みを買いかねません。
 この場合、塾長の経験からすると最も適当なのは
『そのコートのプレーヤーの動きを見守る』
でしょうね。邪魔かどうかは当人同士に判断させ、手出しをせず、そのプレーが終わる(ポイントが決まる)まで大人しく待つのです。
 但し、当然の事ですが、夢中になっているプレーヤーの足元にボールが転がっていて踏んでしまいそうな場合には急いで
『危ない!』
『足元!』
等と叫んで注意を促し、即座にプレーを中断させましょう。その上で
『危険だったのでつい声を出しました。お邪魔してすみませんでした。』
とキッチリ謝れば良いのです(邪魔された側のプレーヤーも、危険回避の為のやむを得ない処置ですので、文句を言わず、逆に『ありがとう』と返してあげましょう)。勿論、邪魔にならなかった場合でも、ポイント終了後に
『すみません。お邪魔します。』
と一声かけてから自分でボールを拾いに行き、出る時も
『失礼しました。』
と声をかけるのが基本です。入られた側のプレーヤーもお互い様の事ですから、『どうぞ』と快く譲って、或いはボールを拾って返してあげて下さい。
 重ねて言いますが、(実際に邪魔にならなくても)邪魔された側の立場に立って考えれば、例え邪魔した側に全く非がない(単なる偶然でボールが飛んでしまった)のであっても、結果として『邪魔された』のですから、その心理を汲んで必ず声をかけるべきです。これは、自分が相手に対して迷惑をかけ(ようとし)たと落ち度を認めているのとは違います。結果的に相手が邪魔をされた事実に対して『儀礼』として言っている事です。ですから自分が言われる立場に回った場合は、相手の儀礼に対してきちんと
『いえいえ、お互い様です。』
と儀礼で応えるという配慮が必要なのは、社会的なマナーとしても当然である事は言うまでもありません。(言うまでもないのにわざわざ言わなけりゃならない今の世相は困ったもんだなあ。)


 その4の途中でも少し触れましたが、学生同士の試合や市民大会などの大きな試合でもない限り、審判は付かず、セルフジャッジでやるのが一般的です。
 審判がいる場合は全ての最終的判定は審判(複数いる場合は主審)に委ねられ、プレーヤーは一切文句が言えません(但し、ルールの基本的な解釈など、根本的な部分での食い違いは主催者に裁定を求められる場合もあります)。ですから、判定上の問題は一切出ないはずなのですが、問題はセルフジャッジの試合の場合です。
 セルフジャッジとは
『審判のいない試合で自分(達)の側のコートにおけるイン/アウトの判定、その他のジャッジについて自分(達)で責任を持ってジャッジする。』
という事ですが、素人同士が試合する場合には、迷ったり、困ってしまう場合も多々あります。そんな場合は、
迷った時は相手に有利になるよう判定する
という原則論に従いましょう。(但し『こんな時どうすれば良いのかルールを知らない』といった基本的な問題の場合は、主催者等のアドバイスを求めても構いません。)
 この原則論では、イン/アウトの判定は
『ボールの落下地点とラインの位置関係が双方共に明確に見えていると確信出来る場合』
にのみ、下せる事になります(正式な審判も当然この原則に従っています)。自信のある時には堂々と、かつ速やかに判定を宣言して下さい。
『え〜、ん〜っと、アウ…ト!?』
といった物言いは、相手に判定に対する不信感を与えます。迷わず判定出来る状況であった事をも明確に伝える為に、出来るだけ速やかに、はっきりと宣言するのがコツです。もしも少しでも迷うような時には、相手に有利な方に判定して下さい。
イン/アウトの判定  勿論、ボールとラインの位置関係によっては、見ている人の場所によってイン/アウトの判断が異なる場合もあります(図参考)。しかし、これも審判がいる場合と条件は同じです。セルフジャッジの場合でも、ジャッジした人から見て確実と思えた方を宣言するのが原則になります。
 但し、アンツーカーやサンドコートなど、コートの種類によっては打球の落下点がマーキングとしてくっきり残る事もあります。その場合は、判定を一旦留保して落下点を確認し、その後にイン/アウトを宣言しても構いません。この場合でも、判定に不審があっても相手側は原則反論出来ません。セルフジャッジとは言え、判定は審判が下したものと同じ効力を持つからです。
『うそやろ〜?絶対入ってんでえ〜!』
などと言って相手コートに乗り込み、確認を求める行為は許されないので注意しましょう。これは相手側が確認に同意した場合でも避けるべきです。乗り込んでいって自分が間違っていた場合は非常に気まずいものですし、また極めて微妙な場合でも最終決定権は相手にあるのですから、その場の雰囲気を悪くしてまで乗り込む価値はありません。
 それだけに、判定には十分注意が必要です。あくまでも『疑わしきは相手有利に』を原則に、公平になるように判定しましょう。
 なお、これは明らかに良くない事ですが、セルフジャッジを恣意的に使い、随分と勝手な判定をしているチームもたまに見かけます。中にはゲーム序盤で怪しい判定を連発し、対戦相手をイラつかせるという『作戦』を常套手段にしているチームもあり、対策が必要だと思うのですが、それでも取り敢えずは相手の判定に従うのが原則です。但し、あまりにひどい場合は主催者に裁定を求めるなどして対処しましょう。
 でも、そんな相手の策略に惑わされず、気持ちの上では
『アウトと判定しようのないクリーンなショットでお返しをしてやる!』
ぐらいで試合に臨んで下さいね。


 続いては、コート整備です。
 まずはネットの処理。ネットのワイヤーは、長時間強く張り続けていると痛みやすく、最悪の場合短期間で切れてしまいます。自分の家のコートなら張りっ放しでも良いのですが、他人の(或いは公共の)場所を借りてする事が殆どでしょうから、長持ちさせる為にも使い終わったらネットは緩めておく方が良いのでは、と思います。但し、使用時間枠が連続していて次に使う人が待っているような場合には、張ったままでも構わないでしょう。自分達がその日の最後の使用者であるような場合には緩めておくのが良いのですが、場所によって扱い方のルールが定められている事が多いようです。
 コートそのものの整備については、一般的にケミカル(合成樹脂製)コート・ハード(コンクリート等)コート、カーペットコート等では殆ど必要ありません。オムニ(人工芝に砂を入れた)コートの場合はコートのブラシ掛け、アンツーカー(赤土)やクレー(砂)コートではブラシ掛けとライン清掃が(場合によってはローラーも)必要です。
 コートにブラシをかけるのは、コートを均す意味もありますが、コートがブラシで整備されていないとイン/アウトのジャッジの時に見づらくなる(ボールのマーキングがキレイに残らない)という問題もあります。きちんと整備しておきましょう。ラインが人工芝にプリントされているオムニコートでは不要ですが、ラインに白いテープを使っているアンツーカーやクレーコートでは、ラインの上に溜まった砂を落とし、ラインを見やすくしておく事も必要です。また、雨などの影響でラインそのものが浮いてしまっているような場合には、ローラーをかけて均してやる事も必要です。順番としては、ローラー、ブラシ、ライン清掃、の順ですると良いでしょう。見落としがちですが、ブラシの時にコートの周辺までしっかり掛けておく事も大事です(掛けないと周辺がすぐに荒れてしまい、草も生えて来て走り込んだ時に危険です)。
 いずれの場合も、使用後はどこまで整備すれば良いかコートの管理者に予め尋ねておくと良いでしょう。場合によってはハードコートでも何らかの整備を求められたり、アンツーカーでも整備なしで良い場合もあるからです。(例:山の中にあるハードコートでは落ち葉がすぐたまるので毎回清掃しないといけない。アンツーカーだが市営なので専門の整備職員がおり必要ない。など。)


 試合が終わったら、コート整備をしてコートを離れます。この際、隣接するコートがまだ使用中なのに平気で後ろを歩いている軍団を時折見かけます。これも重大なマナー違反です。
 多くのコートの場合、出入り口に向うのに隣接するコートの後ろを通らなければ外に出られない構造になっていますが、ここを歩くのにも注意が必要です。
 その4でも言った通り、プレー中のコートに何かが侵入したり、何らかの邪魔が入った場合は、『レット』と言ってそのポイントのやり直しになります。気持ちよく熱戦をしている時にこんな邪魔が入るのは実に不快なもので、それをきっかけに試合の流れが変わり、逆転負けしてしまう、といった事も多くあります。敢えて細かい事を言えば、時間単位でコートを借りているプレーヤーにとってこの時間も料金のうち。貴重なものです。それらを考えて、出来るだけコートの後ろは歩かないようにしましょう。
『後ろ広いから大丈夫やで。ぶつかったりするかいな!』
というアナタ。野球のバックスクリーンに観客が入れない理由をご存知ですか? バックスクリーンは投手の投球と重なる位置にあり、そこに白い服を着たり動き回る人がいれば、打者にとってボールが大変見づらくなってしまいます。実際に、昔そんな事をして邪魔をする人もいたらしいです。その結果が今の『全面立入禁止』なんでしょうね。バックスクリーン上部にはTVカメラが置いてあり、視界も良くて球場にとっては入場料を稼ぐには絶好の場所です。それを敢えて立入り禁止にするのは、本人の邪魔をする意思の有無に関わらず、それだけ実際に『邪魔』だという事です(余談ですが、TVカメラもスタッフも、この位置ではバックスクリーンに合わせて暗色の服装・色に統一されているそうです)。距離の有無とは関係ありません。(またまた余談ですが、同様に、緑色をした目の細かいネットがコートの周囲に張り巡らされているのは、風除けだけが理由ではありません。)
 ですから、もしもコートの後ろを通らざるを得ない状況でも、そのコートのポイント(又はそのゲーム)が終わるまで待って
『すみません、通して下さい!』
と声をかけてから小走りに通り抜けるのが良いでしょう。
 勿論、足の悪い高齢者のプレーヤーにまで全力疾走を強いるものではありません。急いで転んで救助して、では、却って時間がかかってしまいますので、荷物も多い事でしょうから、可能な範囲の小走り程度で十分です。
 となると、勿論、自分が通してあげる場合の事も考えておく必要があります。見ていれば通ろうとしているかどうかはわかると思いますので、気付いたら早目に手を止めて
『今のうちに通って下さい。』
と促す方が、結果的に中断時間が短くて済みます。気付かなかった場合でも
『済みません。通して下さい!』
の声がかかったら、手を止めて
『どうぞ。』
と声をかけてあげるのもマナーです。『早く行け!』と言わんばかりに今にもサーブを打ちそうな構えをして相手を急かすのも、当然マナーに反します。お互いに適切なタイミングで声をかけ、速やかに終わらせるのが良いでしょう。
 勿論、これ以外の場面でも、例えばトイレに行きたいとか、色々な事情で後ろを通る事はままあります。その場合もこのパターンを応用してみて下さい。



★まとめ★
 …如何でしょうか?『テニスって、案外面倒だなあ。』と思ったアナタは、多分日常生活でも色々な場面で気付かないうちに『マナー違反』を犯しているのだと思って反省して下さい。ここに取り上げたのはいずれも、日常生活でのマナーの延長にほかなりません。最初にも言った通り、マナーとは『お互いに尊重し 譲り合う』という姿勢の発露に過ぎません。形式だけではありませんが、勿論その形式が重要でもあります。
 日常生活で見知らぬ人とでも挨拶を交わすのは、相手の事を尊重している、という形式上のポーズ=儀礼でもあるのです。儀礼で受けた側がきちんと儀礼で返せば、お互いにお互いを尊重してくれていると言う事実の確認が出来、仲間のような意識が生まれて、その後の人間関係をスムーズに進められます。マナーとは、お互いが仲良く出来る人なのかどうかを確認する作業でもあるのです。儀礼に儀礼で返せない人は『幼い』とか『未熟だ』といった扱いを受けても仕方ありません。それがこの社会における暗黙の『ルール』なのです。それを踏まえて、その根本を見失わない範囲で、より良い『マナー』を作り上げて下さい。
 なお、このページは塾長からの一種の『私的提案』であり、いわゆる『叩き台』に過ぎません。ですので、『私はこう思う』『こんな時はどうしたら良いの?』『うちの地域ではこんなマナーもあるよ』といったご質問・ご提案を随時受け付けし、改訂して行きたいと考えております。優れた内容であれば、直接ここに載せる事もありますので、何か気が付いた事があれば、下の『本サイトに関する〜』と書かれた黄色いメールリンクタブからメールして下さい。更なる知恵を絞って、ご一緒に気持ちよくプレー出来る『マナー』を作り上げて行きましょう!

2004.05.24 Copyright(C)しんのすけ
加筆訂正 2006.08.23 Copyright(C)しんのすけ


★迷惑メール対策としてメールアドレスに細工をしました。メールリンクタブ(上の『本サイトに関する…』の黄色い画像)をクリックするとメールソフトが立ち上がりますが、あて先(メールアドレス)の本来『@』マーク(小文字)となるべきところを『●』にしてあります。ご面倒ですが、『@(小文字)』に直してご使用下さい。
メールソフトがうまく立ち上がらないなどの場合は、ご面倒ですが次の文字列をコピーし、同様に『●』を『@(小文字)』に変えてご使用下さい。
edail●sutv.zaq.ne.jp



since 2002.12.31  Copyright(C)しんのすけ